年度末は新生活への準備や仕事の区切りで忙しくなる時期ですが、防災・防犯対策の見直しをするには絶好のタイミングでもあります。日本は地震や台風などの自然災害が多いため、日ごろから備えておくことが重要です。また、引っ越しが増えるこの時期には、防犯対策も欠かせません。本コラムでは、年度末にチェックしておきたい家庭の防災・防犯対策を6つのポイントに分けて紹介します。
1. 非常持ち出し袋の点検と補充
非常持ち出し袋は、災害発生時にすぐに持ち出せるように準備しておくべき必需品です。しかし、時間が経つと保存食の賞味期限が切れたり、家族構成の変化で必要なものが変わったりするため、年度末に一度中身を見直しましょう。
チェックすべきポイント:
- 食料品・飲料水の賞味期限を確認し、古いものは入れ替える
- 懐中電灯や携帯ラジオの電池が切れていないか確認する
- 季節に合わせた衣類(冬場なら防寒具、夏場なら熱中症対策グッズ)を入れておく
- 家族全員の必要な薬や衛生用品を用意する
- 乳幼児がいる家庭では、ミルクやおむつの準備も忘れずに
2. 家具の固定と安全対策
地震の際、家具が倒れることで大きな被害を受けることがあります。特に年度末は引っ越しや模様替えをする家庭も多いため、新しい配置に合わせて家具の固定を見直す絶好の機会です。
対策方法:
- 背の高い家具は転倒防止器具を使用して固定する
- 食器棚や本棚には扉ロックを取り付け、落下を防ぐ
- 家具の配置を見直し、避難経路を塞がないようにする
- 窓ガラスには飛散防止フィルムを貼り、割れた際の怪我を防ぐ
3. 家族の防災計画を再確認
いざというときに家族全員が適切に行動できるようにするため、防災計画を年度末に確認しましょう。特に、学校や職場が変わるタイミングでは、避難場所や連絡手段を改めて確認することが大切です。
確認すべき事項:
- 家族全員の集合場所を決めておく(自宅、避難所、親戚の家など)
- 緊急時の連絡手段(SNS、災害用伝言ダイヤルなど)を共有する
- 近隣の避難所や指定避難ルートを確認する
- 小さな子どもや高齢者がいる場合、避難の際のサポート体制を考える
4. 自宅の防災設備を点検する
日ごろあまり意識しない防災設備も、年度末にしっかり点検しましょう。火災や停電の際にスムーズに対応できるように、使い方を確認することも重要です。
チェックポイント:
- 消火器の有効期限を確認し、必要なら交換する
- ガス漏れ警報器・火災警報器の動作確認をする
- 停電時に使う懐中電灯やモバイルバッテリーを充電しておく
- 非常用トイレの準備をしておく(断水時に備えて)
- 水の備蓄(1人1日3リットル×3日分が目安)を確保する
5. 引っ越しに伴う防犯対策
年度末は引っ越しシーズンでもあり、新居での防犯対策が特に重要になります。引っ越し直後はセキュリティが手薄になりがちなので、事前にしっかりと準備しておきましょう。
防犯対策のポイント:
- 新居の鍵を交換する(前の住人が合鍵を持っている可能性があるため)
- 窓やベランダの施錠を確認し、防犯フィルムを貼る
- 玄関や共用エリアの防犯カメラの有無を確認する
- センサーライトや防犯ブザーを設置する
- 宅配便の受け取り時は不用意にドアを開けない
6. ご近所との防災・防犯ネットワークを築く
災害時や防犯面でも、近隣の住民同士で協力することが大きな助けになります。日ごろからご近所との関係を築いておくことで、いざというときに助け合える環境を整えましょう。
具体的な取り組み:
- 自治体が主催する防災訓練に参加する
- 近隣住民と災害時や防犯時の助け合いについて話し合う
- 特に高齢者や障害のある方がいる場合、避難時にどうサポートするかを考える
- マンションやアパートでは管理組合と防災・防犯対策について話し合う
まとめ
年度末は生活を見直す良い機会であり、防災・防犯対策を強化する絶好のタイミングでもあります。非常持ち出し袋の点検、家具の固定、家族の防災計画の確認、自宅の防災設備の点検、引っ越しに伴う防犯対策、ご近所とのネットワーク構築という6つのポイントを意識することで、災害時や犯罪被害のリスクを軽減し、より安心して生活できるようになります。今年度の終わりに、ぜひ防災・防犯対策を見直してみてください。