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人が生きるために必要な水の量

水は人間の生命維持に欠かせない存在です。私たちの体の約60%は水でできており、水分が不足することで体調不良や命の危険に直結することもあります。

特に災害や非常時には、限られた水の中でどのように生活するかが重要になります。では、実際に人が生きるために必要な水の量はどれくらいなのでしょうか?

 

今回は、日常生活と非常時における必要な水の量について詳しく解説します。


1. 人間の体と水の関係

人の体は約60%が水で構成されており、脳や心臓は約73%、肺は約83%、血液は約90%が水です。

この水分は、体温調節、栄養の運搬、老廃物の排出といった重要な役割を果たしています。そのため、わずかに水分が失われただけでも体の機能が低下し、重大な問題につながる可能性があります。

 

そして水が不足すると、以下のような症状が現れます。

 

軽度の脱水症状:喉の渇き、口の乾き、倦怠感

中度の脱水症状:めまい、頭痛、集中力の低下

重度の脱水症状:意識障害、臓器不全、命の危険

 

 

いかに水が重要か、よくわかるかと思います。

2. 日常生活での必要な水の量

 

それでは健康を維持するためには、1日にどれくらいの水が必要なのでしょうか。

 

成人の場合

成人が1日に必要な水の量は約2.5リットルとされています。

この量は、食事や飲み物から摂取する水分の合計です。一般的に以下のように分けられます。

 

飲料水:約1.2リットル

食事に含まれる水分:約1リットル

体内で生成される水:約0.3リットル

 

子供の場合

子供は体が小さいため、成人ほどの水は必要ありませんが、体重に応じた適切な水分補給が重要です。

目安として、5歳の子供では1日約1リットル、10歳では約1.5リットルが推奨されています。

 

高齢者の場合

高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂取することが重要です。

目安としては1日約1.5リットル以上が推奨されています。

 

運動時や暑い日の場合

運動や暑い日は発汗により体内の水分が失われやすく、通常よりも多くの水分補給が必要です。

 

激しい運動時には1時間あたり1リットルの水が推奨される場合もあります。

3.非常時に必要な水の量

災害時や緊急事態では、水の確保が困難になることがあります。そのため、1人あたり最低3日分の水を備蓄しておくことが推奨されています。

 

 

最低限必要な量

非常時に最低限必要な水の量は、11日あたり3リットルが目安です。内訳は以下の通りです。

 

飲料水:約2リットル

生活用水(調理や衛生管理用):約1リットル

3日間分を備蓄する場合は、1人あたり9リットルの水が必要となります。4人家族なら36リットルが目安です。

 

長期的な備蓄の目安

1週間以上の備蓄を考える場合は、生活用水を増やす必要があります。清掃、洗濯、簡易トイレの利用を考慮すると、1人あたり1510リットルが望ましいでしょう。

 

水の保管方法

 

非常用の水は、清潔な容器に密閉し、直射日光を避けた冷暗所で保管するのが理想的です。市販のペットボトル水の場合、未開封で約1年の保存が可能ですが、保存用の専用水なら5年〜10年の長期保存が可能です。

4. 水不足が引き起こす影響

水不足が続くと、次のような深刻な影響が現れます。

 

健康被害

熱中症や脱水症状のリスクが高まる

体内の老廃物が排出されず、腎臓や肝臓に負担がかかる

血流が悪化し、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが増す

 

衛生環境の悪化

手洗いや歯磨きが十分に行えず、感染症のリスクが上がる

トイレが使用できなくなることで、衛生環境が著しく悪化する

 

食料の不足

 

調理に必要な水が確保できないことで、栄養摂取が難しくなる


5. 水を確保する工夫

災害時や断水時に役立つ水の確保方法を知っておくと安心です。

 

浴槽に水をためておく(生活用水として活用)

雨水を利用するための雨水タンクを設置する

浄水器や浄水ストローを用意しておく

 

給水車の利用場所やスケジュールを把握する


6. まとめ

人が生きるために必要な水の量は、日常生活では1日約2.5リットル、非常時には最低3リットルが目安となります。

私たちは普段、水が豊富にあることを当たり前に感じがちですが、災害時にはその重要性が痛感されるものです。

 

日頃から水の備蓄や節水意識を高めることで、万が一の際にも安心して対応できるよう備えておくことが大切。日頃から意識しておきましょう。