地震、台風、津波、火山噴火――。
日本に暮らす私たちにとって、自然災害はまさに日常と隣り合わせにあります。
では実際、日本は他の国々と比べてどれほど「災害が起きやすい」のでしょうか?データをもとに、世界との比較を通じて考えてみたいと思います。
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日本は世界のわずか0.25%の国土に、災害の20%が集中する
まず驚くべきデータがあります。
世界全体の国土面積のうち、日本が占める割合はわずか0.25%。
それにもかかわらず、世界で発生する**マグニチュード6以上の地震の約20%**が日本周辺で起きているのです(出典:内閣府防災情報)。
たとえば、アメリカ合衆国の国土面積は日本の約25倍。にもかかわらず、強い地震が集中しているのはむしろ日本の方だということになります。
また、地震だけではありません。日本は台風銀座と呼ばれるほど、毎年多数の台風が接近・上陸します。
1951年から2020年までの統計によると、平均で年間約26個の台風が発生し、そのうち約3個が日本に上陸しています(気象庁データより)。
さらに日本には111の活火山があり、これは**世界の活火山の約7%**を占めています(気象庁「火山白書」)。
地震、台風、火山――いずれをとっても、やはり日本は「災害大国」と言わざるを得ない状況にあります。
他国と比較すると?
では、具体的に他国と比較してみましょう。
地震被害
・日本:年間マグニチュード6以上の地震発生数=約20回
・アメリカ(本土):年間マグニチュード6以上の地震発生数=約5回(主にアラスカ、カリフォルニア沿岸)
・ニュージーランド:規模に対して頻度は高いが、国土規模が小さいため被害対象は限られる
・イタリア:周期的に大地震が発生するものの、頻度は日本より少ない
つまり、地震に関しては、日本が突出しています。
台風・ハリケーン・サイクロン
・日本(台風):年間平均上陸数=約3回
・アメリカ(ハリケーン):年間上陸数=1〜2回(主にメキシコ湾岸)
・フィリピン(台風):年間上陸数=約20回
台風についてはフィリピンが世界最多クラスで、日本はそれに次ぐ「ハイリスク地帯」と言えます。
火山災害
・日本:世界有数の活火山数(111火山)
・インドネシア:さらに多くの活火山を抱え、噴火リスクは日本以上
・イタリア:ヴェスヴィオ火山など有名だが、数・活動頻度ともに日本には及ばない
火山活動についても、日本はインドネシアに次ぐリスクエリアと言えます。
洪水・豪雨災害
洪水リスクに関しては、国土面積が広く河川が大きい国(たとえばインド、中国、アメリカ)に比べると、日本はやや「被害規模は小さい」ものの、集中豪雨の発生頻度は年々増加しており、特に梅雨時や台風シーズンには全国各地でリスクが高まっています。
国際的な指標である「世界リスク報告書(World Risk Report 2023)」によると、日本の災害リスク順位は世界38位。
これはフィリピン(1位)、インドネシア(4位)に比べるとやや低いものの、先進国の中では高い順位に位置しています。
それでも日本が「世界に誇れる」こと
ここまでを見ると、日本はたしかに「災害が起こりやすい国」であることは疑いようがありません。
しかし、ここで注目すべきは単なるリスクの高さではありません。
実は、日本は防災・減災技術と国民意識において、世界トップクラスを誇っています。
たとえば、
・耐震基準を世界最先端で更新し続ける建築技術
・地震速報システムや津波警報網の精度
・学校教育や自治体による防災訓練の徹底
・災害時の迅速な避難行動
これらすべてが「大きな被害を小さくする力」として機能しており、世界中の防災関係者から注目されています。
実際、2011年の東日本大震災では、津波という未曾有の脅威に直面しながらも、多くの命が地震発生直後の迅速な避難行動によって救われました。
さらに、日本では災害をきっかけに「コミュニティの結束力」が強まる文化もあります。
震災後に見られる助け合いや復興支援活動の光景は、国際的にも「日本人の強さ」としてしばしば報じられてきました。

まとめ:災害とともに生きる強さ
たしかに、日本は災害が多い国です。
けれども、それは「脅威」であると同時に、私たちに知恵、備え、絆を育む機会を与えてくれるものでもあります。
自然の脅威に無力ではない。
むしろ、自然と向き合い、学び、適応していく力こそが、日本人の誇るべき強さなのです。
未来に向かって。
私たちはこれからも「備える力」「支え合う力」を磨きながら、この美しい国で、たくましく生きていけるはずです。