オートロックは本当に安心？──「守られている安心」と「自分で守る意識」

最近のマンションでは、エントランスにオートロックを設けている物件が一般的になっています。

外部からの不審者侵入を防ぐ大きな役割を果たしており、セキュリティ面では確かに安心感があります。

しかし一方で、「オートロックがあるから大丈夫」と過信してしまうことで、かえって防犯意識が薄れるケースも少なくありません。

オートロックに潜む“安心の落とし穴”

オートロックは便利で心強い設備ですが、実際には「共用エントランスを突破される」リスクも存在します。

住民が同時に出入りした際に、見知らぬ人が後ろから自然に入り込む「共連れ」や、宅配業者を装った不審者が侵入する事例などもあります。
このようなケースでは、オートロックがあっても実際の防犯力は“使い方”次第なのです。

オートロックがないからこそ育まれる防犯意識

一方、オートロックのないマンションでは、「自分の身は自分で守る」という意識が高まりやすい傾向があります。玄関の二重ロックや補助錠の設置、防犯フィルムやセンサーライトの活用など、個人レベルでの防犯対策を意識的に行う住民が多いのも特徴です。
つまり、“守られている環境”に安心しきるより、“守る意識”を持つことで、結果的に安全度が高まるという側面もあるのです。

理想は「設備＋意識」の両立

最も安心できる暮らしは、「設備に頼りすぎず、自分の防犯意識も高める」ことです。

オートロック物件であっても、来客の確認を怠らない、見知らぬ人をエントランスに入れない、鍵を確実に施錠する——そんな日々の小さな行動が大きな防犯につながります。
反対に、オートロックがない場合は、防犯カメラやドアモニター、携帯用防犯ブザーなどを上手に取り入れて、自衛力を高めることが大切です。

まとめ

オートロックの有無は、防犯の「スタート地点」にすぎません。大切なのは、どんな環境であっても「自分の暮らしを守る意識」を持ち続けること。
最新の設備と日々の意識、どちらも備わってこそ、真の“安心安全な住まい”と言えるのではないでしょうか。