地震や台風、大雨などの災害が起きたとき、私たちの暮らしに大きな影響を与えるのが「断水」です。電気やガスの停止ももちろん大変ですが、水が使えなくなると、飲み水、食事、手洗い、トイレ、掃除など、生活のあらゆる場面で困ることになります。
普段は蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水も、災害時には突然使えなくなることがあります。特に大きな地震や広範囲の水害では、復旧までに時間がかかる場合もあるため、断水したときに何をすればよいのかを知っておくことが大切です。
今回は、断水したらまず確認したいこと、飲み水や生活用水の確保方法、トイレの注意点、事前に備えておきたい防災グッズについて、わかりやすく解説します。
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断水したら、まず落ち着いて状況を確認する
断水に気づいたら、まずは落ち着いて状況を確認しましょう。災害直後は慌てて水を使いたくなりますが、建物や水道管、排水設備に異常が起きている可能性もあります。
最初に確認したいのは、断水が自宅だけなのか、地域全体なのかという点です。近所でも水が出ない場合は、地域的な断水の可能性があります。自治体や水道局のホームページ、防災アプリ、ラジオ、防災無線などで、断水情報や給水所の案内を確認しましょう。
また、地震の後は水道管だけでなく、排水管や下水道設備に被害が出ている場合もあります。特にマンションや集合住宅では、排水設備の安全が確認されるまで、トイレや大量の水を流すことに注意が必要です。国土交通省の災害時トイレに関する資料でも、停電・断水・排水管の破損などを確認する重要性が示されています。
飲み水の確保を最優先にする
断水時に最優先で守りたいのは、飲み水です。人は食事が少し取れなくても数日はしのげる場合がありますが、水分が不足すると体調に大きく影響します。特に高齢者、子ども、持病のある方、妊娠中の方は、脱水に注意が必要です。
災害時の飲料水は、1人1日3リットルを目安に、最低3日分を備えておくことが基本です。農林水産省も、飲料用と調理用だけで1人あたり1日3リットル、最低3日分として9リットルの備蓄が必要としています。
断水してから水を探すのではなく、普段から備蓄水を用意しておくことが大切です。ペットボトルの水を買い置きしておく、ウォーターサーバーを活用する、長期保存水を備えるなど、家庭に合った方法で準備しておきましょう。
水道水が出るうちに、生活用水を確保する
災害直後にまだ水道水が出ている場合は、断水に備えて生活用水を確保しておきましょう。浴槽に水をためる、ポリタンクやバケツに水を入れる、空のペットボトルに水を入れておくなど、できる範囲で水を確保しておくと安心です。
ただし、飲み水として保存する場合は、清潔な容器に入れることが大切です。浄水器を通した水や沸かした水は、消毒用の塩素が減って保存性が落ちる場合があります。水道水をくみ置きする場合は、清潔でふたのできる容器に、できるだけ空気が入らないように口元まで入れて保存する方法が紹介されています。
くみ置きした水は、飲み水として使える期間を過ぎたら、トイレや掃除などの生活用水として使うと無駄がありません。
トイレは「水で流せばよい」とは限らない
断水時に困りやすいのがトイレです。浴槽にためた水を使えば流せると思う方も多いかもしれませんが、災害時は必ずしも水を流してよいとは限りません。
地震などで排水管や下水道が破損している場合、水を流すことで汚水が逆流したり、下の階に漏れたりするおそれがあります。神奈川県も、集合住宅では排水管の損傷に気づかずトイレを使用すると、下の階で汚水があふれるおそれがあると注意を促しています。
そのため、断水時は携帯トイレや簡易トイレを用意しておくことがとても大切です。便器に袋をセットして使えるタイプや、凝固剤で排泄物を固めるタイプなどがあります。水を使わずにトイレを確保できると、断水時の不安が大きく減ります。
給水所に行く前に準備したいもの
断水が長引くと、自治体が給水所を設置することがあります。ただし、給水所に行けば水がもらえるとしても、それを運ぶための容器がなければ困ってしまいます。
用意しておきたいのは、給水袋、ポリタンク、ウォーターバッグなどです。折りたたみ式の給水袋なら、普段はコンパクトに収納でき、必要なときに広げて使えます。ポリタンクは容量が大きく便利ですが、水を入れるとかなり重くなるため、運び方も考えておく必要があります。
水は1リットルで約1キログラムです。10リットルなら約10キログラム、20リットルなら約20キログラムになります。自宅から給水所まで距離がある場合は、キャリーカートや台車、自転車なども役立ちます。災害時の移動手段として、自転車を備えておくことも防災対策のひとつです。
非常用浄水器があると選択肢が広がる
備蓄水は防災の基本ですが、断水が長引いた場合には、手元の水だけで足りなくなることもあります。そのようなときに備えて、非常用浄水器(seseraのリンク)を用意しておくと、水を確保する選択肢が広がります。
非常用浄水器は、雨水や川の水などをろ過できるタイプがあります。ただし、すべての水を安全な飲み水にできるわけではありません。製品によって除去できるものや対応できる水の種類が異なるため、購入前に性能を確認することが大切です。
特に注意したいのが海水です。一般的な浄水器では、海水の塩分まで取り除けないものが多くあります。海の近くに住んでいる方でも、海水を飲み水として使うことを前提にするのではなく、備蓄水と非常用浄水器を組み合わせて考えると安心です。
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生活用水は飲み水とは分けて考える
断水時には、飲み水だけでなく生活用水も必要です。手洗い、食器の簡単な洗浄、掃除、体を拭く、トイレまわりの衛生管理など、水を使いたい場面はたくさんあります。
ただし、飲料水と生活用水は分けて管理することが大切です。飲める水はできるだけ飲用や調理用に残し、生活用水には浴槽にためた水やくみ置きした水を使うなど、使い道を分けると無駄がありません。
また、ウェットティッシュ、アルコールシート、使い捨て食器、ラップ、非常用トイレなど、水を使わずに衛生を保てる防災グッズも役立ちます。断水時は「水を増やす」だけでなく、「水を使わずに済む工夫」も大切です。
停電と断水は同時に起こることもある
災害時には、断水だけでなく停電も同時に起こることがあります。マンションや高層住宅では、停電によってポンプが止まり、水が出なくなる場合もあります。
そのため、断水対策は水だけでなく、電気の備えとも関係しています。スマートフォンの充電、ラジオやライトの使用、情報収集のための電源確保なども大切です。ポータブル電源、蓄電池、太陽光発電などを備えておくと、在宅避難時の安心感が高まります。
水と電気は、災害時の暮らしを支える基本です。どちらか一方だけでなく、セットで考えることで、より現実的な防災対策になります。
ペットがいる家庭は、ペット用の水も確保する
犬や猫などのペットがいる家庭では、人間用の水だけでなく、ペット用の飲み水も忘れずに備えておきましょう。災害時は、ペットもストレスを感じやすく、普段より体調を崩しやすくなることがあります。
ペットフードだけでなく、飲み水、給水ボウル、ペットシーツ、ケージ、リードなども一緒に準備しておくと安心です。避難が必要になった場合でも、すぐに持ち出せるように、ペット用防災セットをまとめておくとよいでしょう。
家族を守る防災対策は、一緒に暮らすペットの備えまで含めて考えることが大切です。
断水に備えることは、暮らしを守ること
断水は、突然起こります。水が出なくなってから慌てて準備しようとしても、必要なものが手に入らないことがあります。だからこそ、普段から備えておくことが大切です。
まずは、飲み水を1人1日3リットル、最低3日分を目安に備えること。次に、浴槽やポリタンクなどで生活用水を確保できるようにしておくこと。そして、携帯トイレ、給水袋、非常用浄水器、防災グッズなどを必要に応じて準備しておくこと。
断水対策は、難しいものではありません。日常の中で少しずつ備えていけば、いざというときの不安を減らすことができます。
災害時に水があるかどうかは、家族の安心に直結します。何もない今だからこそ、断水したときの行動を確認し、飲み水と生活用水の備えを見直しておきましょう。
